引越し前のおはなし
知人から『もう着ないから』と着物の羽織を何枚か譲っていただきました(しかも新品)
うーん・・・
あるとき、お針子を生業としてみえた利用者さんが
着物を解いて作られた『うわっぱり』(上着)を着て見えました
私にも作れますか?とお聞きすると
よかったら持っておいぃ(きなさい)、作り方教えたるで
そこから、私のお針子修行半年がはじまりました
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その利用者さん(マチコさん)がデイサービスにお越しくださる曜日に
お昼休みを利用して、少しづつ少しづつ進むお針子。
はっきり言って
私お針子大の苦手です笑
特にミシンとは犬猿の仲
母上に言わせると「ぞうきんも縫えん」ヤツなんです
でもそんなゆのみがどーしたことか
手縫いくらいはなんとかならないかしら、とちょと興味を持ってみたのです
羽織ってとんとお見かけしなくなりました
何枚かいただいたけど、これを練習用にできないかしら
と思ったところにマチコさんのうわっぱりを発見したのです
マチコさん、それは着物の生地ですね
そうや。解いてうわっぱりにしたんや。ちょっと着てくにはええで~
マチコさんはご自分の鞄や服も、すべてご自身で作られます
マチコさんになら、教えてもらえるかも?←なんて安易な考え
でも・・・もう現役を引退され、目もみえないと言われてるマチコさんにそんなこと言っていいのかなぁ
とリーダーさんにお話すると
自分の得意だった事を教えるのも、彼女の個別ケアに繋がるから
疲れない程度になら教えてもらったら?
それなら・・・とマチコさんに聞いてみたわけです
でも・・・
やってる最中、正直
ほんとに出来るのか?とかもうやめてしまいたい・・・と何度も思ったのです汗
宿題が毎回でて、分からないままにもチクチクして持って行く
・・・うーん、ここがずれてるから、ここら辺までほどいても一回な
とか
ここは縫い方が違うからも一回な
みたいなダメ出しが・・・
毎回2時間ほどみっちり(私がやることが遅い&マチコさんの布あわせに時間がかかる)
やった後で、私はお家に帰って
「ううぅ、これやらなきゃ・・・」
次回お会いすると私を見るなり「やってきた?!」
マチコさん、プロのお針子さん魂がムクムクです。
ええぇここはもう見えませんやん・・・て場所でも
も一回な
・・・プロ根性ってこういうことだな・・・と思い知るゆのみでした
そんなことだったので
出来上がるまでに約半年
でも、出来上がったときにはもう嬉しくて嬉しくて
デイルームを練り歩きました(笑)
これだけ長く毎回毎回チクチクしているので
他の職員さんやケアマネージャーさんたちまで
どこまですすんだの?とか
さすがマチコさん、プロですねーとか
ちょこちょこと見にきてくださってそのつどマチコさんを激励し、尊敬のマナザシで
見られるのですが
マチコさんはそれどころじゃない
この子のうわっぱりをちゃんと教えてあげて作ってあげないかん!
話しかけやんといて!集中しとんのやで・・・
と言わんばかりの「うんうん」返事
そういう気持ちがこもった指導のおかげで
あんなに大嫌いだったお針子も
少し、お針子が好きになったかもしれません
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
お針子の技術と一緒に
半年の間にいつもはお聴きできないような
ゆっくりした時間でマチコさんの人生をお聴きすることができました
生まれつき足が不自由だったマチコさんは
手に職をつけるために18で大阪に奉公に出られ
「2年はつかいっぱしり。針なんて触らせてもらえん。あと3年は袖なら袖、襟なら襟しか縫わせてもらえん」
という修行をつみ、お針子さんになったらなったで
「大都会やからなぁ、朝7時くらいから夜は9時くらいまで仕事してなぁ。
後から後から仕事なんていくらでもあるもん、寝ずに仕事することも普通やったわ」と。
もう仕事は十分やった。
今、100万やるで打ちかけ縫えって言われても絶対嫌やわ
でも
90を越えた今でも
彼女の針の後は均等でまっすぐで本当に美しいのです
マチコさんのおかげで、私もお針子が好きになりました
と出来上がってからお礼を言うと
あんたがそう言うてくれたら一番嬉しいわ
マチコさんが、出来上がった上着を着た私を見て
よかったなぁ、はぁ、これで肩の荷がおりたわ
という優しいお顔で
「この次の正月に着れるな。よかったやんか。はよぅ皆に見せておいぃ」
引っ越す前に出来上がってほんとによかった・・・
心からそう思うゆのみでした
マチコさんに心から感謝です ほんとうにありがとうございました(o´-ω-)o)
本日もご訪問くださり
長々と読んでくださってありがとうございました